こんにちは、1級塗装技能士の山本です。
今日は、外壁塗装で最も重要な工程の一つ、「下塗り」についてお話しします。
外壁塗装というと、色のついた上塗りに目が行きがちですが、実は下塗りこそが塗装の耐久性を左右する超重要な工程なんです。
下塗りとは？
外壁塗装は基本的に「3回塗り」が原則です。
- 下塗り：外壁材と上塗り塗料を密着させる「接着剤」の役割
- 中塗り：塗膜の厚みを確保する
- 上塗り：仕上げ、美観と保護機能
この中で最も重要なのが、下塗りなんです。
なぜ下塗りが重要なのか
「下塗りなんて見えなくなるし、省いても大丈夫じゃない？」
絶対にダメです。理由は：
①上塗り塗料が密着しない
下塗りがないと、上塗り塗料が外壁にしっかり密着しません。
すると、数年で塗装が剥がれてしまいます。下塗りは、外壁と上塗り塗料をくっつける「接着剤」なんです。
②外壁の吸い込みを止める
経年劣化した外壁は、表面がスカスカになって塗料をどんどん吸い込んでしまいます。
下塗りで吸い込みを止めないと、上塗り塗料が吸い込まれて塗膜が薄くなり、すぐに劣化してしまうんです。
③ひび割れを防ぐ
下塗り材には、微弾性のある塗料もあります。
これが、外壁の微細なひび割れに追従して、ひび割れの拡大を防ぐ効果があるんです。
④発色を良くする
下塗りがないと、上塗りの色がムラになったり、発色が悪くなったりします。
美しい仕上がりのためにも、下塗りは欠かせません。
下塗り材の種類
下塗り材には、外壁の状態に応じて様々な種類があります。
①シーラー
浸透性のある下塗り材。外壁に浸透して、表面を固める効果があります。
吸い込みが激しい外壁に使用します。
②フィラー
厚みのある下塗り材。表面の凹凸を埋めて、平滑にする効果があります。
ひび割れが多い外壁や、凹凸が激しい外壁に使用します。
③微弾性フィラー
弾力性のあるフィラー。ひび割れに追従する効果があります。
ひび割れが心配な外壁に最適です。
④サーフェイサー
シーラーとフィラーの中間的な下塗り材。
吸い込みを止めながら、表面を整える効果があります。
今回の下塗り作業
今回のお宅は、築12年のサイディング外壁。
表面に細かいひび割れが見られたので、微弾性フィラーを使用しました。
①高圧洗浄後の乾燥確認
下塗りの前には、必ず高圧洗浄で外壁を洗います。
そして重要なのが、完全に乾燥させること。外壁が湿っていると、下塗り材がしっかり密着しないんです。
前日が晴天で、外壁の乾燥状態は良好。手で触って確認してから、作業開始です。
②養生
窓、ドア、雨樋など、塗装しない部分をしっかり養生。
下塗りは白っぽい色が多いので、はみ出すと目立ちます。丁寧に養生します。
③下塗り材の塗布
いよいよ、下塗り開始。
微弾性フィラーをローラーで塗っていきます。厚みを均一に保つため、塗布量を管理しながら作業。
サイディングの目地や、窓枠の周りは、刷毛で丁寧に塗り込みます。ここを丁寧にやるかどうかが、仕上がりを左右するんです。
④塗りムラのチェック
下塗りは、塗りムラがあると上塗りに影響します。
全体を塗り終わったら、離れて見て、塗り残しやムラがないかチェック。
少しでも怪しい部分があれば、塗り直します。妥協は許しません。
⑤乾燥
下塗りが終わったら、しっかり乾燥させます。
メーカー推奨の乾燥時間を守ることが大切。乾燥不十分だと、上塗りとの密着が悪くなります。
今回は気温22度、湿度55%という好条件。推奨の6時間、しっかり乾燥させました。
下塗り作業のポイント
①外壁の状態に応じた下塗り材の選定
外壁の状態は、家によって様々。
吸い込みが激しい外壁、ひび割れが多い外壁、凹凸が激しい外壁…それぞれに適した下塗り材を選ぶことが重要です。
20年の経験があるからこそ、最適な下塗り材を判断できるんです。
②塗布量の管理
下塗り材は、塗りすぎても薄すぎてもダメ。
メーカーが指定する適正な塗布量を守ることが大切です。
私は作業前に、「この面積なら何缶必要か」を計算します。そして実際に使った量を記録。これで、適正量が塗られているか確認できるんです。
③細部の塗り残し防止
サイディングの目地、窓枠の周り、換気口の周り…細かい部分は、ローラーでは塗りにくい。
だから、刷毛で丁寧に塗り込みます。この細部の処理が、職人の腕の見せ所なんです。
手抜き業者は下塗りを省く
残念ながら、下塗りを省く業者もいます。
なぜかというと、下塗りは時間も材料費もかかるのに、完成したら見えなくなるから。
「2回塗りで十分」「下塗りなしでも大丈夫」
そんな言葉で、下塗りを省いて材料費と工賃を浮かせようとする業者も、残念ながら存在します。
でも、下塗りを省くと：
- 2〜3年で塗装が剥がれる
- 色ムラが出る
- ひび割れが広がる
- 結局、早期の塗り直しが必要に
結果的に、お客様に大きな負担をかけてしまうんです。
私たちは「見えない部分」こそ丁寧に
下塗りは、完成したら見えなくなる部分。
でも、この「見えない部分」にどれだけ手間をかけているかが、5年後、10年後の結果を左右します。
私たちは、その「見えない部分」こそ手を抜かない。それが、親子三代続けてこられた理由だと思っています。
お客様には、下塗り作業の写真もお見せして、「ちゃんとやってますよ」と報告しています。
お客様の声
作業後、お客様に下塗りの写真を見ていただきました。
「こんなに丁寧に塗ってくれるんですね。前の業者は、下塗りをちゃんとやってくれたのか分からなくて…」
実は、このお宅は以前に別の業者に塗装を依頼したことがあったそうです。でも、3年で塗装が剥がれてしまったとのこと。
「たぶん、下塗りをちゃんとやってなかったんだと思います。今回は山本さんに写真で見せてもらえて、安心しました」
そう言っていただけて、嬉しかったです。
下塗りの重要性、ご理解いただけましたか？
「前に塗装したけど、すぐに剥がれた」
「ちゃんと下塗りしてくれる業者を探している」
「外壁のひび割れが心配」
「下塗り材の種類について相談したい」
そんなご相談があれば、ぜひお気軽にどうぞ。
1級塗装技能士の私、山本が直接お伺いして、外壁の状態を確認。最適な下塗り材をご提案します。
お見積もりは無料。ドローンでの外壁点検も無料で行っています。
江東区を中心に、東京・埼玉エリアで対応していますので、お気軽にご相談ください。
それでは、また次回！
遮熱外壁専門店 1級塗装技能士 山本
