こんにちは、1級塗装技能士の山本です。
今日は朝から雨模様。江東区も結構な降りで、もちろん外での塗装作業はお休みです。
塗装職人にとって雨は天敵。どんなに急いでいても、雨の日は絶対に作業できません。なぜなら、塗料が雨で流れてしまったり、乾燥不良を起こしたりするからです。
こういう日は事務所でデスクワーク。見積もりを作ったり、お客様への報告資料を整理したり。
そんな中、先月施工したお宅の写真を見返していたら、「屋根の下塗り」の写真が出てきました。今日はこの作業について、改めて語らせてください。
屋根塗装、なぜ「下塗り」が必要?
屋根塗装は基本的に「3回塗り」が原則です。
下塗り:屋根材と上塗り塗料を密着させる「接着剤」の役割
中塗り:塗膜の厚みを確保する
上塗り:仕上げ、美観と保護機能
この中で最も重要なのが、実は「下塗り」なんです。
下塗りをしっかりやらないと、どんなに良い塗料を使っても数年で剥がれてしまいます。
逆に、下塗りさえきちんとすれば、塗装は長持ちするんです。
屋根材に合わせた下塗り材の選定
先月施工したお宅は、スレート屋根(コロニアル)でした。築12年で、表面の塗膜が劣化して色褪せが目立っていました。
スレート屋根の下塗りで大事なのは、「吸い込み止め」。
経年劣化したスレートは、表面がスカスカになって塗料をどんどん吸い込んでしまいます。
そのまま上塗りしても、塗料が吸い込まれて塗膜が薄くなり、すぐに劣化してしまうんです。
だから、下塗りで屋根材の吸い込みを止めて、しっかりとした塗膜を形成できる土台を作る必要があります。
今回使ったのは、アステックペイント社の専用プライマー。浸透性と密着性に優れた高性能な下塗り材です。
下塗り作業のポイント
① 高圧洗浄後の乾燥確認
下塗りの前には、必ず高圧洗浄で汚れやコケ、古い塗膜を落とします。
そして重要なのが、洗浄後の「乾燥」。屋根が完全に乾いていないと、下塗り材がしっかり密着しません。
この日は前日が晴天だったので、屋根の乾燥状態は良好。手で触って湿気がないことを確認してから作業開始しました。
「早く進めたい」という気持ちはありますが、ここは絶対に妥協できません。20年の経験で学んだことです。
② ローラーと刷毛の使い分け
屋根の広い面はローラーで塗り、棟板金の際や細かい部分は刷毛で丁寧に塗っていきます。
特に屋根と屋根の重なり部分(タスキ部分)や、棟板金周りは雨水が入り込みやすい場所。
ここを塗り残すと、そこから劣化が始まってしまいます。
「見えないところだから適当でいいや」なんて気持ちは一切ありません。
むしろ、見えない部分ほど丁寧に。
③ 塗布量の管理
下塗り材は、塗りすぎても薄すぎてもダメ。メーカーが指定する適正な塗布量を守ることが大切です。
私は作業前に必ず、「この面積なら何缶必要か」を計算します。
そして実際に使った量を記録。これで、適正量が塗られているか確認できるんです。
手抜き業者は、この塗布量を守らず薄く塗って材料費を浮かせることもあります。
でも、それじゃあ長持ちするわけがないですよね。
④ 乾燥時間の確保
下塗りが終わったら、しっかり乾燥させる時間が必要です。
この日は気温25度、湿度50%という好条件だったので、メーカー推奨の6時間でしっかり乾燥。
翌日、表面を触って完全に乾いていることを確認してから中塗りに進みました。
「早く終わらせてほしい」というお客様のお気持ちも分かりますが、乾燥時間を短縮すると、塗膜不良の原因になります。
ここは、職人としてのプライドを持って、しっかり時間を取らせていただいています。
「2回塗りで十分」という業者に注意
時々、「うちは2回塗りでやります」という業者がいますが、これは要注意です。
下塗りを省いて、いきなり上塗りを2回塗る。一見、同じように見えますが、全く違います。
下塗りがないと:
- 塗料が屋根材に吸い込まれて塗膜が薄くなる
- 密着力が弱く、すぐに剥がれる
- 耐久性が著しく低下
「2回塗りだから安い」と言われても、数年で塗り直しになったら結局高くつきます。
屋根塗装は必ず「3回塗り」。これが業界の常識であり、長持ちさせるための絶対条件です。
お客様からの嬉しい言葉
この施工が終わった後、お客様からこんな言葉をいただきました。
「山本さん、本当に丁寧にやってくれてありがとう。前に頼んだ業者は2日で終わらせて、3年で剥がれちゃったんです。今回は時間をかけてやってもらえて安心しました」
実は、このお宅は過去に別の業者が施工した箇所の塗り直しでした。前回の業者は下塗りをほとんどせず、2回塗りで済ませたそうです。
「安さだけで選んで失敗した」とおっしゃっていました。
今回は、しっかり3回塗りで施工。お客様にも工程を一つ一つ説明しながら進めました。
こういう言葉をいただけると、本当にこの仕事をやっていて良かったと思います。
ドローンで屋根の劣化をチェック
ちなみに、この施工前には、ドローンで屋根の状態を詳しくチェックしていました。
屋根は普段見えない場所なので、「本当に塗装が必要なのか?」と不安に思われる方も多いんです。
でも、ドローンで撮影した映像をお見せすれば、劣化状況が一目瞭然。
「こんなに傷んでいたんですね…」と驚かれる方がほとんどです。
目で見て確認していただけるから、納得して工事を任せていただける。
これが、私たちの強みです。
雨の日こそ、丁寧な仕事を振り返る
雨で作業ができない日は、過去の施工を振り返る良い機会です。
「あの時、もっとこうすれば良かったな」
「この工程、本当に丁寧にやって良かった」
そんなことを考えながら、次の施工に活かしていく。
20年この仕事をやってきましたが、まだまだ学ぶことはたくさんあります。
常に「もっと良い仕事ができないか」を考え続けることが、職人としての成長だと思っています。
屋根の塗装、考えていませんか?
「うちの屋根、そろそろ塗り替え時期かな…」
「色褪せが気になってる…」
「前に塗装したけど、もう剥がれてきた…」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ドローンでの無料点検も行っています。
1級塗装技能士の私、山本が直接お伺いして、屋根の状態をしっかり診断いたします。
江東区にお住まいの方は、遮熱塗装で助成金が使える可能性もあります。
申請手続きも全て当店で対応しますので、お気軽にどうぞ。
明日は晴れの予報。また現場で頑張ります!
それでは、また次回!
遮熱外壁専門店
代表 山本